
同人サークル「上海アリス幻樂団」が制作する「東方Project」。その二次創作として大人気の「ゆっくり」シリーズで、デフォルメされた頭部のみのキャラクターに合成音声を当てた「ゆっくり茶番劇」が商標登録されたことで、ネット上では登録者の柚葉氏に対して批判の声が相次ぐ事態となっている。
Twitterで商標登録を発表した柚葉氏。
#ゆっくり茶番 投稿者各位
この度、当社は「ゆっくり茶番劇」商標権を取得いたしました。⚠️今後、当該商標をご利用頂く場合はライセンス契約が必要となる場合が御座います。
✅詳細は下記URL「商標使用に関する要網(ガイドライン)」動画版をご確認下さい。
▼YouTube▼https://t.co/U0D1FbSAxJ pic.twitter.com/yvU1k4T50y
— 柚葉 / Yuzuha【祝!ゆっくり茶番劇 商標登録】 (@Yuzuha_YouTube) May 14, 2022
最初の発表では、「ゆっくり茶番劇」を商用利用する場合は「年間10万円の使用料を求める」としたが、ファンやネット上での批判を受け、柚葉氏はTwitter上で「使用料のお支払いは不要と定めることに決定した」と発表している。
「使用料は不要」と方針転換
商標「#ゆっくり茶番劇」につきまして皆様からのご意見を受け、関係各所と再検討しましたところ、使用料のお支払いは不要と定めることに決定致しました。
✅今後、使用料(ライセンス契約)は不要になります。
✅但し、権利は当社のものとして存続いたします。
よろしくお願いいたします。
— 柚葉 / Yuzuha【祝!ゆっくり茶番劇 商標登録】 (@Yuzuha_YouTube) May 16, 2022
ファンは怒り心頭
しかし、この無償化という代替案だけでファンは納得するはずもなく、Twitter上では「#ゆっくりを返せ」「#柚葉を許すな」といったハッシュタグとともに、
・「みんなは使用料の事じゃなくて、あなたみたいな第三者の身勝手なゆっくり茶番劇の商法登録に怒ってるんだよ。せっかくみんなで作ってきたゆっくりを壊そうとするんじゃない」
・「ライセンス契約が不要になったところで5年後になっていきなりまた金を請求する可能性もあるから早く商標登録を解除してほしいな」
・「色んな人敵に回して鋼のメンタルだね。例の人絶対許さねぇけどな」
・「僕はゆっくり茶番劇好きだし、東方ファンだけど、そうじゃなかったとしても、この騒動には反対だなぁ」
などと怒りを露わにしている。
著名人の反応は……
■ドワンゴ専務取締役COO・栗田 穣崇
「ゆっくり茶番劇」についてドワンゴ法務部とMTGを行いました。万全を期すためにこれから法律事務所にも相談します。5/21(土)までにユーザーのみなさんに安心してニコニコを使っていただけるよう、ニコニコとしての公式見解を出しますので、それまでお待ちいただければ幸いです。
— くりたしげたか(Re)🌰ニコニコ代表の人 (@sigekun) May 16, 2022
■タレント、謎解きクリエイター・松丸亮吾
ちなみに僕も中学からめちゃくちゃ東方やり込んでたマンだったりする。コミケに最初に行ったきっかけも東方。本当にゲーム性もキャラクターも二次創作も大好きな1つの文化なので、僕も同じ気持ち。
— 松丸 亮吾 🍥 (@ryogomatsumaru) May 16, 2022
■漫画家・やしろあずき
ゆっくり茶番劇商標登録の件、ブチギレるのはわかるけど相手に爆破予告とかしたら意気揚々と訴えられて最悪賠償金ぶん取られるからそこは堪えような。爆破予告とか殺害予告するなら俺に三角コーン送りつけたほうが100倍世のためになるぞ。
— やしろあずき@新書発売中 (@yashi09) May 16, 2022
今回の商標登録は「犯罪ではない」
ネット上は現在も荒れに荒れる状況だが、そもそも今回の商標登録が違法にあたるのか気になるところ。
この件について、アトム法律事務所の代表で弁護士YouTuberでもある岡野武志氏が動画【「ゆっくり茶番劇」の商標登録は違法ですか?弁護士がわかりやすく解説!】内で分かりやすく説明している。
岡野弁護士によれば、今回の商標登録は「犯罪ではない」とし、警察が動くような「刑事のトラブル」はなく、「民事のトラブル」とのこと。商標登録の「無効・取り消し」など詳細については、当動画をご覧いただきたい。